2021年12月31日

碧亜希子モザイク展 -Nostalgia-

【本業とは別の久しぶりの日記デス〜】

年内の営業を終えて身体中がまだ小麦粉まみれではありますが、今年も碧さんの個展が開催されていたのでお邪魔してきました(忙しくても風呂には入ろうな?)。

個展に至るまでの経緯や展示の詳細はラ・ネージュ亭主四方有紀さんの素晴らしいnoteをご覧いただくことにして、こちらでは僕なりに感じたことを書き残しておきたいなと。


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このラ・ネージュという空間に惚れ込み、ここ数年はこの場所と、亭主の四方さんを始めこの場所で出会った方とコラボレーションするように作品を作ってこられた碧さん。


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「この場所は作品が踊るステージなんです」という碧さんのお言葉を借りれば、真正面の大舞台には今年を代表する作品群が連作のようにリズムよく並んでいます。


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石の凹凸を活かすだけでなく、薄い布で覆うように使われた白が印象的な真ん中の作品。

情報を因数分解して明文化すれば”『平面』なんだけれど石の『立体』感がある。そこに色の『疎』と『密』のリズムもプラスされ、常に放たれている”という作品から漂う「アルコール度数」が毎度のことながらストロングで脳が揺れる揺れる(笑)


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「今年はいつも以上に『密度』を感じます」と受けた印象を率直に伝えてみると碧さんご自身も想うところがあったようで、「最近、これまでやってきたことは『すごくシンプルなことをあえて難しくしている』ように感じてきている。それはその時々では間違いではなかったのだけれど、今の気分はもっと密度の高いエネルギーをただ描きたい」との言葉が伺えて。

密度を上げるために色のレイヤードを使って重層的に描きつつ、それでいて白を基調としたトーンは柔らかく、朝もやを浴びた木々や大地が湿気を伴って匂い立つような土臭くも甘いあのエネルギーが薫るようでとても気持ちがいい。


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「個展中だからといって手を止める理由にはならない」と会期中に完成した最新作は碧さんが「ここまでたどり着いた」と思える作品で、ここにこれまでの様々なエッセンスが濃縮されているように感じました。こんなのストレートだと一発でヤラれるから時間をかけてゆっくり味わうか薄めないと飲み込めねぇすよ(笑)


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経験を積まれたギリシャの石畳のようでもあり、上空から見下ろした夕暮れの街並みのようでもあり、トライバルなステップで踊る石達のダンスの痕跡のようでもあり、ただ一人の人間がここに「在る」召命のようでもあり。

ぱつんと瞬間的に割られた石を延々と並べる時間の疎と密。
固い石がそれぞれの個性で並び、生まれる柔らかいカーブ。
人の手が加わり、作為的であるはずなのに石の奔放さもあって。

たくさんの相反する事象がこの作品の中では作家の決断の下にひとまず均衡を保ち、共存している様に可笑しみすら感じるほど。

人は誰しも土に還ることを想えば、石で描くとは「固い異物」をコントロールするのではなく、一足先に土に還った先人たちと言葉以前の言葉で語らい、「生と死」という深い隔たりを超えて柔らかい「つちくれ」共がただ戯れている。それだけでありそれがすべてなのかな、と思ったり。


この個展ではモザイク作品のほかにもモナステリー(修道院)と名付けられた立体作品や、画家・野村昌司氏が碧さん制作の壺に三美神を描いたコラボレーションなどもありました。

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中には碧さんが制作され、一度は完成した作品でコラボレーションをするといういかにも碧さんらしい「無茶ぶり」から生まれた作品も(笑)


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"Blue Snow”、”Green Snow”と銘打たれ、窓の隙間から見える雪を表現された作品。
本来白いイメージのある雪に色をつけるイマジネーションに面白い浮遊感が。

思えば、この「ラ・ネージュ(雪)」と名付けられた白い空間で、雪の結晶のように人と‪人が繋がり、笑顔が積もっていく様子はまさに雪のようで言い得て妙だなぁと。

会期が終われば作品は片付けられ、人は自分たちの場所にほどけていってしまうけれど、ここで降った想いはそれぞれの人の胸で溶け、いつまでも誰かを潤している。
僕もほんのひと時、そんな結晶のカケラとしてみなさんと繋がれたことを嬉しくありがたく思いました。

今後の碧さんは野村さんからの「逆無茶ぶり」を受けて絵画をモザイクで描くコラボレーションをされるなど、まだまだ観察対象として目が離せない様子(笑)


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また雪の降る季節にお会いできることを楽しみにしています。
碧さん、四方さん、今年も素敵な展示と時間をありがとうございました。


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posted by はなとね at 14:03| Comment(0) | 日記
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