2017年11月15日

Nightswimming

はなとねの看板を製作していただくなど、足を向けては寝られないモザイク彫刻家の碧亜希子さんが自身のアトリエに床モザイクを作られたと聞き、カメラを片手にお邪魔したのでその時のことをお伝えします。

伺った日は朝晩にはしっかり冷え込むこともある9月末だったのですが、この日は夏を思い出すようないいお天気でした。


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アトリエに入る手前のスペースに白をベースにしたモザイクが施されていました。


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大胆でランダムに並べられているようで、その実、隣り合った石ときちんと繋がっている丁寧な仕事ぶりはまさに碧さんそのもの。
穴のあいた水玉模様は以前、個展にお邪魔した際に展示されていたコロコロとした彫刻「雨のもどりみち」との繋がりも連想しました。


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この質感と立体感を見ると、日頃は意識しなかった石の面白さに気づかされます。


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この床モザイクは碧さんがモザイクの修行をされていたギリシャの海の波打ち際を思い描いて作られたとのこと。ギリシャでは海岸にテーブルを並べてお酒や食事を楽しめるお店があるそうで、そんな風景をイメージした1枚です。
お酒を飲んでいて、ふらりと足を海にひたしに行くなんて、聞いているだけで酔っぱらってしまいそうなサイコーの時間ですね。


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「やっぱり床モザイクは裸足ですよ!」とのオススメに従って裸足でぱちり。足の裏に伝わるひんやりとした感覚は海辺に負けないくらい心地のよいものでした。


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ギリシャではそれほど珍しいものではないという太古の土器のかけら。


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いい光が入ってきたのでサンキャッチャーで集めてぱちり。

いろんな写真を撮らせていただいたので満足し、そろそろ帰ろうかとしていると「この床モザイクの本当の魅力は夜なんですよ…」と碧さん。

ん〜、お昼でもかなり堪能させていただきましたけれど…と思いながら日暮れを待っていると…


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がらりと雰囲気が変わってぐっと落ち着きました。なんというか、夜の暗がりや時間ととても馴染んでいる気がします。


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石もまた昼とは違った表情をみせ、ひとつひとつの石にこもった時の流れが語りかけてくるようです。


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こうしちゃいられないとまた裸足になってごろりと寝転びました。
丸い石のつるつるした肌さわりや、割った石のざらりとした感触を全身で感じていると、ふっと浮くような、すっと沈むような、波に身体を遊ばれているような感覚になりました。


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単身でギリシャへモザイクの修行へ行かれて僕には到底理解が及ばない苦労や思いを積み重ねてこられた碧さんが、お客さんやモザイク教室の生徒さんを迎えるアトリエの入り口に多くのことを体験されたギリシャの海を連想させるモザイクを作られたことに、碧さんという人が生きている時間の流れを感じてなんだかとても嬉しくなりました。

現代において便利であること、わかりやすいことはある意味「正しさ」のひとつではありますが、ひとつひとつ石を並べている人がいること、ひとつひとつ石が並べられた場所があることの豊かさもまた素敵だと思いました。

碧さんにはとても穏やかな場所をみせていただいて感謝しています。
ありがとうございました〜。

*おまけ

撮影中、アトリエに流れていたR.E.M. の Nightswimming



This one laughing quietly
Underneath my breath
Nightswimming

僕は静かに笑い
小声でささやくんだ
“夜に泳いでみないか?”って


posted by murakami at 01:23| Comment(0) | 日記
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