「Facebookで知って、これを見に来たんです」というお客さまもいらっしゃって、すごく嬉しいです。
写真を何枚載せたところで実物の存在感には到底及ばないのですが、営業中は詳しいご説明まではできないので、ブログに書かせていただこうと思います。
まず目を惹き付けるのは艶のある青で彩られた陶のロゴです。
まさか自分がデザインしたロゴが他の方の手でこんなにも新しい表情を見せるとは想像もしていなかったのでとても驚きました。
そして忘れてならないのはベースのモザイクです。
碧さんがこの看板を制作中に「空白を埋めるとはどういうことか」という問いを抱かれ、その答えのひとつとしてこのモザイクがあるとのこと。
基本的にモザイクとはキリストなどの姿を描くか、ルールに沿って幾何学的に貼っていくもので、手がかりなしに「空白を埋める」ということはないんだそうです。
石を整然と並べると毅然とした存在感がでるし、モルタルを流し込むだけだとあまりにものっぺりとしてしまう。石がそこにありながらも主張しすぎないそこはかとない存在感を出すにはどうすればいいかを見つけるのにとても時間がかかったそうです(一番細かい作業で、神経を遣いそうな ひらがなの「はなとね」の部分はテクニックだけで乗り切れるので比較的簡単だとのことでした。素人にはわからないものです)。
そしてたどり着いた、ひとつひとつの石と対話しながら置かれたい場所に置いてあげるやり方で、意識が入り込みすぎていない、柔らかい佇まいを描いてくださいました(*そういったお話を踏まえて、先日撮影させていただいた個展での最新作【画像です】を拝見すると、また印象が変わります)。
石を割り、指先で石を転がしながらこの場所だろうか、この面が表面だろうかと繰り返すうちに石も少し削れ、丸みを帯びて定位置に落ち着く。
果てしないその繰り返しの末に浮かび上がったこの模様が、このお家にこれまで流れてきた時間を象徴しているようで、色合いも相まってとても落ち着いて感じられました。
既存のテクニックでは はなとね の雰囲気を表現できないと、苦心してこの方法と向き合ってくださった碧さんに感謝すると同時に、心から尊敬しました。
このお家のどこに置いても、似合う。
お庭のこちらも碧さん作のモザイクベンチにもたれさせても、似合う。
撮影をしながら作品を観ていると、作品にこの場所のことをもっと知って欲しいという思いと、なぜだかふと、水の音を聞かせてあげたいという気持ちになり、近くの川へ出かけることにしました。
うーん、外もいいなぁ。
こうして水辺に来てみると、ロゴの青は海の青のような気がしました。
自分でもなにをやっているのかわからなくなってきましたが、めちゃくちゃ楽しい。
本物はどこに置いても映えます。
切り取り方次第では「まちがい探し」みたいになってしまいますが(笑)
少し儀式めいた撮影だったけれど、看板にこの場所の雰囲気を知ってもらえて、きちんと挨拶ができたようで嬉しかったです。
この作品に表現された穏やかな雰囲気をお客さまに過ごしていただけるよう、これからもやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
あらためてこのような素晴らしい作品を制作してくださった碧さん、本当にありがとうございました。
《おまけ》
川原で30分ほど集中して撮影し、一緒に行った家族にそろそろ帰ろうかと声をかけに戻ったところ…
全身びしょ濡れの肌色の河童と出会いました。
なんといいますか、もう少し想像の範囲内で穏やかに暮らしたいんだけれど、なかなかそうはいきません。